薬用植物学専攻者としてずっと憧れていた「Bar BenFiddich(バー ベンフィディック)」へ念願叶って訪問することができました。
新宿という大都会の雑踏にまみれながらたどり着くビル。
エレベーターで9階に到着するも降り立つ隙間も無いほど多くの海外からのお客様が開店待ちされています。
さすが世界ランキングを常に受賞されている著名なバーだけあって大人気。
狐の剥製や蝋燭がお出迎え。
予約を告げ、店内へ案内されます。
緊張しながらカウンターへ向かうとトップバーテンダー鹿山氏が素敵な笑顔でお好きな席へどうぞとお出迎え。
特等席へ座らせていただきました。
メニューなどはなく、どんな感じのドリンクが良いかを伝え、作ってもらうスタイル。
薬草好きと伝えるとスイスで採取したゲンチアナで作った自家製スーズー(Suze:ゲンチアナ根を原料にしたフランス生まれの黄色いハーブリキュール。ピカソやダリが愛飲したそう)があるからそれを使いましょうと。
ゲンチアナ根を見せてもらいました。学生の時に生薬として扱っていましたがここでまた出会うとは。
■自家製スーズー☆ゲンチアナフレッシュカクテル。微妙なほろ苦さもあり爽快な飲み口です。
すり鉢でフレッシュハーブをすりつぶし、混ぜ合わせたり、
伝統的な生薬を磨り潰す器具である薬研も重用されていたり。すり鉢は葉系、薬研はスパイス系を粉砕するというふうに使い分けているそうです。
鹿山氏は海外からのお客様や常連のお客様とにこやかに会話されたりしつつも、ずっと高速で様々な種類のミクソロジーカクテルを作り続けており、その見事な手捌きからずっと目が離せず。
ミスターファーマーバーテンダーのマジックショーのような調合…!BarというよりApothecary(古代の調剤薬局)
お隣のカップルはクアラルンプールから来られたそうで、自家製アブサンカクテルを楽しんでいました。
マレーシアのデサルビーチに大昔に行ったという話をすると、今は高級リゾートになっているとのこと。諸行無常。
アブサンはスイス発祥でニガヨモギ・ウイキョウ・アニスなどを原料とするハーブリキュール。ベンフィディック自家製アブサンの原液はアルコール度数68%もあるそうです。
鹿山氏から、1杯目が土系カクテルだったので、次は森系行きましょうか、というご提案を頂きお願いしました。
カウンターのランプに巻き付いている乾燥ニガヨモギや農家で採取したフレッシュハーブをすりつぶしミックスしていきます。
最後にトッピングするのがフレッシュハーブのミント、ルタ(ヘンルーダ)、楠の葉
■森薫るカクテル
グラスの蓋を取り、香りを吸い込むと、早朝の森の中を歩いている気分になります。
森林浴ができるカクテル♡ 最後に炭酸を混ぜることでグラスの中に香りが充満するそう。
この香りを嗅ぎながら何時間も恍としていられます 笑
奇しくも魅力的なBar Benfiddich、薬草酒と異空間に酔いしれました。
店名:ベンフィディック(BenFiddich)
住所:東京都新宿区西新宿1-13-7 9F
アクセス:新宿駅西口 徒歩5分
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